2012年05月23日

名言シリーズ:「交際の心得」−3

◆自己開示・期待のセーブ・情報の選択

名言@・・・「ボロは最初に見せておけ、そうすればいつでも天下太平だ」: 相田みつを

私には若い時から・・・、恐らく20代の後半から「まな板の鯉」という自分の生き方についての自論がある。「まな板の鯉」という諺の意味は広辞苑では「料理されようとしているまな板上の鯉はただ待つだけで逃げ場の無い境遇である」とある。しかし私の論はそうではなくてもっと積極的な意味である。初対面で特に自分より年配で地位の高い人と出合った時の対応の仕方についての話だ。この場合「まな板の鯉」に相当するのが自分で、その鯉を料理をする人が年配者で上司のような立場の人である。私はその料理人となるであろう相手に「私は魚で言えば鯉です。鰻でもマグロでもありません」という意思表示を必ず最初にする。そうすれば腕に自信のある料理人はその魚に最もふさわしい料理を考え鯉(私)をさばくはずである。魚種を知りながらそれに相応しい調理ができないのは鯉の責任ではなく当然料理人の腕が悪いからである。言いたいことは仕事で成果をは上手くだしたり相互信頼の関係をより早く構築するには『先ず自分の個性や特技を力ある相手に早く知ってもらうこと」が大事だということ。

名言A・・・「なにも期待しなけれぱ愛や友情を敏感に感じることになる」:大河の一滴(書)

これは作家の五木寛之氏独特のいいまわしであるが一つの真理である。「感動」という心の状態を「期待」と「結果」の関係で次のような数式で表現することができる。「感動」=「結果」>「期待」。この式は「感動は結果が期待を上回った時に発生する」という原理を表す。自分の子供と母親の関係で学校の試験の成績という結果の事例で言えば次のようになる。自分の子供は80点以上は取ると期待していた母親がいた。しかし結果は70点であった、この場合母親は落胆する。逆にとりあえず60点とれば上出来と思っていた母親は予想外に70点もとった息子の成績に感動した。上下関係や夫婦、親子、友人、顧客と言った人間関係で大切なことがある。それは相手に対して期待をどの程度に設計するかである。理想は低すぎても高すぎてもいけない。これは難しいことだが心掛け次第で人間関係の是非が決まるということは知っておきたい。

名言B・・・「礼に非ざれば視ること、聴くこと、言うこと、動くことなかれ」: 論語

日光東照宮に多くある有名な彫刻のなかで私が記憶しているのは「眠り猫」と「三匹の猿」程度。どちらも左甚五郎の作と聞く。このうち「三匹の猿」は「見ざる」「聞かざる」「言わざる」と称され、それぞれが「目」と「耳」と「口」を自分の手で押さえている彫刻である。この彫刻が言わんとするのは今で言えば情報の取捨選択に関する貴重な教えを示唆している。今日、情報といえばインターネットの広がりで誰でもいとも簡単に多面的な情報の入手が可能になった。しかし玉石混淆の情報から「自分の身心の健康にためのなる」情報を強い意志で選択しないと先ず心の健康を犯されることは間違いない。左甚五郎の時代でさえ「三匹の猿」でそれを教示してしているのだ。いや、この三匹の猿の逸話の原点は論語にあるという。論語は今から凡そ2500年前の話なのだ。

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2012年05月21日

名言シリーズ:「商いの基本」−3

◆目的と手段・経験価値・性善説

名言@・・・「顧客満足は方法でなくすべての企業の使命であり目的である」:ドラッカー

物事を行う時そこには必ず目的と手段の関係があります。例えば仕事と出世の関係。仕事は自分にとって目的それとも手段でしょうか。ある人は出世の手段として一生懸命仕事をする。また別の人はより大きな仕事を行うために出世して権力を持つという人もいます。「顧客満足」という言葉の使い方も同じです。「経営安定のための顧客満足」とすれば顧客満足は経営安定の一手段です。しかし「顧客満足を事業目的」とすれば経営安定は手段となります。ドラッカーは「顧客満足はあらゆる事業の目的そのものである」と断言しています。

名言A・・・「顧客が求めるのはモノやサービスを通じて記憶に残る経験と言う価値」:ディズニー

尊敬する上司から「人生は思い出の総和、これからはよき思いでつくりを・・・」という励ましのことばを頂いたのは49歳で再建というひとつの仕事が終わり、次の転属先が決まった時。ところで思い出には苦い思い出と楽しかった思い出があります。問題は「苦しく辛かった思い出」をどうすればよいのかということ。これを活かす上手い方法があります。それは現在の自分の立場や生活が充実または成功と感じることです。過去の延長線上に現在の成功があると思うことです。苦労したお陰で現在の自分があると思うことができれば最高の人生です。

名言B・・・「内発的動機づけは『性善説』が前提となる」: 波多野心理学者

人間観に関する基本的な考え方に「人は信頼できる」と「人は信頼できない」の二通りがあります。前者は「性善説」や「Y理論」、後者は「性悪説」や「]理論」と呼ばれています。ところで人間関係で相手から信頼されるには先ず自分から相手を敬い信頼することが前提となります。従って相手に騙されることも覚悟しなければなりません。「人は信頼できる」という性善説の人で相手に騙されることを減らすにはどうすればいいでしょうか。それは人を見抜くという人間学を読書や実践で学ぶしか方法はありません。特に実践で学ぶには交際する人一人ひとりについて相手のどのようなことが信頼するに足りうるかを整理してから交際する習慣が大事と思います。

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2012年05月16日

名言シリーズ:「勉学の心得」−1

◆自主独立・強化学習・余力は勉学に

名言@・・・「学問は個人の独立をうながし個人の独立が国の独立へとつながる」 福沢諭吉

福澤諭吉が歴史上の三聖人と呼んでいる人がいる。釈迦、孔子、キリストがその三聖人である。この三聖人の訓(哲学)から人間学やモノゴトの道理を真剣に学び諭吉は自己の思考や判断や行動の原点にしたという。その福澤諭吉は「独立自尊」がいかに大事かを説いている。その理由のひとつに次のようなことを言っている「自主独立の心なき者は媚びへつらう」と。国にせよ個人にせよ自分らしく生きぬくにはまず自主自立が原点だと。そのためには何としても経済的自立が必要であり、経済的自立のためには勤勉と努力以外にないと諭すのである。これは二宮尊徳も全く同じことを言っている。また「他を頼っている限りこの自立の精神は育たない」とは松下幸之助氏の言葉である。

名言A・・・「うれしいことがあるとその行動は強化されるこれを強化学習と呼ぶ」  茂木健一郎

「強化学習」という脳の習慣性これはすごい話である。脳が快適に感じたこと喜んだ事柄は内容が何であれ再びその喜びや快適さを脳は求めるという脳学者の説である。学校や会社で先生や上司からある行動や結果について誉めらたらとてもうれしい。そしてまた誉められようと頑張ることになる。そしてまた「よく頑張っているね」と誉められることを期待して努力する。これが続くとその人にとってすばらしい勉学や行動の習慣となる。これが「強化学習」という脳の訓練の結果である。但し注意しなければならないことがある。「怠惰や嘘や色事や賭け事が快適だ」と脳に思わせたら大変だ確実に堕落の人生となる。このような快楽は何としても自制しなければならない。このためには「正直」「忍耐」「正義」を大事にするという強い意志の力が何としても必要だ。

名言B・・・「行いに余力あれば怠ることなく学問に励むべし」  論語

 ある書物に中年のベカラズ集が載っていた。その一行に「無為を余暇で過ごしてはならない」という一行があった。人は誰でも当面やるべき目的を見失うと自由な時間(閑)は大幅に増える。閑だからといってその時間の多くを趣味に使うという生活をしてはならないとこの一行は教えている。これは現役で働いている中高年の人々への忠告である。そうでなくても定年後は目的の無い自由な時間は大幅に増える。このとき現役でできなかった趣味があれば存分に楽しめばよい。現役でなくても中高年に無為の時間があればなにをすべきか、それを勉学や自己修養に当てるべきだと論語は諭す。今から2500年前の教えだというのに・・・。

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2012年05月14日

名言シリーズ:「失敗の本質」−1

◆負けを認める・体験と経験・道理に従う

名言@・・・「自らの失敗を認めたときに改革を行う、失敗から脱出するために」 カエサル

 プレハブ住宅に関して技術開発の責任者が一堂に集まり、今後どのようにして商品力を向上し競争力をつけるべきかという会議での一幕。議題の中心は耐震技術であった。耐震技術の社内第一人者であるというS次長が競合する各社の耐震構造のポイント「短所や長所」をまとめた一覧表を出してわかり易く説明をした。そして説明の最後にいった。「我社の耐震構造に関する技術は他社と比較して決して負けていません。むしろ優れていると確信しています」という言葉で結んだのだった。この会議にオブザーバーで参加していた元家電メーカー研究所の所長体験のあるF監査役が手を上げて言った。「負けを認めなければあらゆる技術は進歩しないではないですか」「技術が優れていると言うのならもっとシェアーが高くて当たり前でしょうに」と。

名言A・・・「一回目は高い経験だ、しかし二度目はいかんこれは失敗だ」  松下幸之助

「経験」と「体験」の違いについて調べてみたことがある。広辞苑では体験は『自分が身を持って経験すること』とあり、経験は哲学的な説明で『感覚、知覚から始まって道徳的行為や知的活動までを含む体験の自覚されたもの』とという説明がある。誰だったか思い出せないが賢人のことばにこの体験と経験の違いが判りやすく説明してあった。『体験はただ自分が身を持って五官で行った行為に過ぎない、しかしこの体験を反省して何かを学ぶことで知恵がつけば体験が経験に変るのだ・・・』と。このときの反省は失敗ばかりではない成功やよかったことの原因も当然反省にはいる。

名言B・・・「物事は心に描かくことができても理にかなっていなければ実現しない」  松下幸之助

 私が30代のころ一人息子(小学生)に竹とんぼを作ってやろうと思ったことがある。私が小学生のころ竹とんぼを作って仲間と遊んだことを思い出したからだ。昔の記憶を頼りに12cmほどの竹材を平らに削り中央に穴を2つあける。穴をあけた部分をさけ右側と左側は左右対称に少し角度を取り薄く削る。中央の穴に羽を回転させるための長さ15センチ程度の軸を作り穴にはめる。これで出来上がりである。
 いよいよ子供の前で完成した竹とんぼを飛ばす。ところが不思議なことにいくら強く羽根を回しても全く飛ばない。羽根の角度をきつくしても羽根を更に薄く軽くしても飛ばない。どうしてだろうと思い何気なく羽根の回転を逆に回した。すると見事に飛ぶではないか。この逸話は風を切って飛ぶと言う道理の大事さを述べている。羽根の傾斜と回転方向が理に基づいていなければいくら羽根を軽くしようが回転力を上げようが絶対に飛ばない。物事の成功は理に適っていなければ努力はムダとなるのだという原則がよく理解できた。

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2012年05月09日

名言シリーズ:「指導力とは」−2

◆フォローは3回・単純化のすすめ・熱意と素質

名言@・・・「三回繰返しても駄目なら仕方が無い『縁なき衆生』と諦める」:松下幸之助

「仏の顔も三度まで」「三人寄れば文殊の知恵」「三つ子の魂百まで」という諺もあるように「三」という数字は何かにつけてよく使われる。しかしこの紹介した「三回繰り返しても駄目なら・・・」の名言は管理者にとってとても役に立つ。仕事を指示すれば次は当然チェックやフォローである。これによって成果や結果の出方が違うのは当然だ。もし指示や命令しながらフォローしなければ成果は小さくてもしかたがない。それは管理監督の義務を怠っているともいえる。命令すれば必ず適切なフォローをすることこれは相手のやる気を促す原則だ。しかし同じ事で三回フォローや注意をしても結果がよくならないときの責任の多くは相手にあり厳しい評価や査定もいたしかたなしということだ。しかしこの原則を家族に適用してはならない家族は支えあう最後の砦だから・・・。

名言A・・・「指導者は多くの体験から美しいものは単純であるという真理を体得」:藤原正彦

 「シンプルという哲学をファッション界のデザインに取り入れ大成功をおさめたのがココシャネルである」、とどこかの書籍で知った。実際に今でもシャネルの服装や装飾品が白と黒を中心にした単純なデザインであるのかどうか私に評価する力はないが・・・。しかし単純化という思想は組織運営やモノゴトの判断基準として、とても重視すべき大切な考え方である。アインシュタインや佐藤一斎、あるいはドラッカーやジャックウェルチと言った多くの賢人それを伝えている。
 ところで最近読んだ書、「荘子の言葉」(著者王福振)の中に「人生を楽しく送る単純に考える人の性格」と言う一文があった。単純に考えれば悩むこと少なく気楽で健康な日々が送れるという説だ。その性格とは次の五項目であった。@あまり人を疑うことがない A我慢強く寛容である B鈍感なほうで気楽な生き方 C打算や思惑をあまり巡らさない D賢い愚か者と言う人。自己診断してみて私は自信がまた少し増えた気がした。

名言B・・・「朽木 は彫るべからず」(腐っている木は彫刻ができない):論語

 課長職と部長職という管理職の登用試験で最も大きな違いは何か。この違いを教えてくれたのは私が部長職試験に推薦されたときのこと。その答えは社外の人材評価専門の人から聞いた。記憶に残っている内容を一言で言うと「課長職任用の試験(評価基準)はマネジメントの基礎能力の上に『今後の成長がどの程度期待できるか」というヤル気や熱意を高く見る。「今後の成長」が見込めないとなれば基礎能力が少々高くても登用されない。逆に基礎能力が普通でもヤル気や熱意といった成長性が大いに認められれば登用されるという話だった。
 これれに比べ部長職の登用は全く異なる。いかに能力やヤル気があっても、「人の上に立つ素質」がなければ登用されないと言う事だった。「人の上に立つ素質」を一言で言えば「リーダーシップ」や「指導力」ということになる。この試験の中心は候補者をグループ化して「討論、企画提案、問題発見、役割演技、優先順位・・・」等の方法で適正を観る方法だった。この試験でわかったことは日頃から大局観(1からランク上の思考)を持ち、問題を自ら発見し積極的に働きかけ実行を試みる仕事スタイルの者には容易な試験であるということだった。

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2012年05月07日

名言シリーズ:「指導力とは」−1

◆先ず具体的目標、次に鼓舞、そして専門スキルの育成

名言@・・・「リーダーシップは何を目標にするかを探し決めること」・・・R・コヴィー(7つの習慣)

 目標はどこから来るのか考えてみた。大きく分けると3つの方向から来ることが判った。その一つは理想や理念から。理想が明らかになれば現実と比べること(引算)で中期的な課題や当面の目標が明らかになる。理想ー現状=課題である。この課題を解決するための具体的な行動を当面の目標と呼ぼう。二つ目はバージョンアップという考え。昨年の売上げより10%アップする、現状より燃料効率を20%向上する、といった数値目標を設定する方法。3つは目は「比較して目標を定める」という方法。このやり方ではベンチマークやモデル(手本)と呼ばれる物品や仕組や会社や人物を明らかにする必要がある。創造力が豊かな人は「理想」による目標設定。普通の人は努力を全く必要としないバージョンアップという方法。最後の手本やモデルと比較して目標をつくる人は「比較対象となる事物」探しが大事な仕事だ。運命を変えることすらある。

名言A・・・リーダーに必要な普遍的4つの能力「誠実」先見」「有能」「鼓舞」: オバマの言語感覚 (書)

ビジネス成果を出すための基本三条件は何かと自問して偉人や賢人の文献や言葉から整理してみた。その答えは「T・M・S」という3つの頭文字に集約された。Tはターゲットで明確な「目標設定力」、次はモチベーションのMで「ヤル気」である。最後のSはスキルすなわち仕事をこなしうる「専門能力」である。この三つの条件が揃えば組織でも個人でも確実に成果が出せる。これは真理であり多くの後輩や次世代の人々にこのTMSをいかにして高めるかという話をドラッカーや松下幸之助氏の言葉を引用して語ってきた。ではドラッカーは成果の三条件を何と言っているか。目標のところを「ビジョン」、モチベーション(ヤル気)を「指導力」、専門能力を「判断力」だと断言している。また松下氏は目標を「理念」と表現しモチベーションを「自由な風土」、そして専門能力を「策」と教えている。最後の「策」とは理念を実現するための具体策のことで「どのように実現するか」という戦略や戦術のこと。いずれも表現は少し異なるが最初に「目標」「ビジョン」「理念」ありきが原則である。「目標を定めたら次はヤル気の鼓舞、これがリーダーの次に大事な中心的しごとである」とはソニーの創業者盛田氏のことば

名言B・・・「部下を指導するには「教える技術を持って教える』これが基本である」:商業経営の精神(書

太平洋戦争の名将である海軍大将の山本五十六に教育指導に関する名言ある。「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」というとてもよくわかる言葉。この名言にも最初に「やってみせて」と言う言葉が出ている。この意味は『教える技術』を持っていない者は人を指導することができないという理解もできる。では部下を持つすべての人が仕事に関して教えることができる必要なすべての能力を持っていなければならないのであろうか。そうではないここで示唆しているのは何か一つ以上秀でた強みの専門スキルを持っていればいいのである。そして先ずそのスキルで相手を支援しノウハウを教えるのだ。そして自分の不得意なスキルは協力を依頼しまたノウハウを教えてもらう、これが組織で成果を出す原則であるとドラッカーは力説している。これはありがたい話だ。

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2012年05月02日

名言シリーズ:「仕事力とは」−1

◆「自主的」かつ「正確さ」と「速さ」

名言@・・・「義務で行なう仕事は作業であり本当の仕事は自主的でなければ 」:柴田昌治先生

 あの発明王のエジソンの言葉に『私にとって仕事は楽しみだ、義務と思ったことは一度もない』というのがある。また孔子のことばに『これを知る者はこれを好む者におよばず、これを好む者はこれを楽しむ者におよばず』という教えもある。この意味を仕事で解釈すれば「自分の仕事をただ無難にこなせるより、仕事が好きであると言う者、さらに仕事が好きというより楽しんでやる者のほうがよい仕事ができる」となる。もし仕事が楽しければ飽きることもない。仮に失敗しても満足な結果を得るまでいつまでも楽しみながら続けることができるという訳だ。「仕事で成功するには成功するまで行うこと』と松下幸之助氏も述べているがそれは何としても仕事の中に楽しみを見つけるという絶対条件を含んでいるのだ。楽しみを見つけるためには夢や目標実現のイメージや自分の仕事の意義を何としても明らかにしておきたい。

名言A・・・「人を採用する時の基礎能力は「素早い動き」と「記憶力」」:エジソン

仕事力とは「正確さ」と「速さ」である。これは私が今まで多くの文献や実体験から知り得た「持論」であり真理である。自分に与えられた仕事がどこよりも、誰よりも「速く」「正確」ということであれば、いかなる不況でも路頭に迷うようなことはない。向上心のある人は自分の担当分野に関してこの二つの能力を身につけるために日々に努力している。しかしその努力も的を絞らなければ実らない。どのような項目を自己啓発の大まかな目標とすべきか。それには私が30代の課長職の頃の会社の勤務評価の項目が大いに参考になる。その項目は次の5つである。@専門知識(理解力)を高める A熟練技能(体と時間と投入) B忍耐力(我慢する能力)C改善力(生産性向上) D執務態度(礼儀、熱意、真面目等)。今でも若い人々にそれを進めている

名言B・・・「仕事は念入りかつ迅速に仕上げる念入りでも遅くては駄目」:松下幸之助

念入りとは『注意深くていねいである(広辞苑)』ということ。私の言葉では「正確」と言っておこう。いくら正確でも『遅くてはダメである』と松下氏は述べている。どうして遅くてはいけないのか一つの事例がある。それは課長任用試験に関する話。人事の指定する図書を読み「仕事にどう活かすか」というレポートを毎月決められた日までに提出するという試験。これは私の得意分野なので提出はいつも受験者の中でトップクラスであった。しかし知人のMさん(営業職)は不得意で時々私に協力してほしいと言ってきた。そんなある日Mさんは期限を1日過ぎてレポートを出した。必死の思いで持参し人事の担当課長に謝った。人事課長は言った「期限の切れた切符で新幹線に乗れますか、また映画を見ることができますか・・・」と厳しく諭した。この話は「基礎能力を身につけた後は正確さより速さが大事」と言うことを物語っているのではないか。「仕事は未完成でもまとめる」これが仕事力と信頼の秘訣であると思っている。

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2012年04月30日

名言シリーズ:「自由の定義」−1

◆未熟さのリスク・正しい判断力・自己決断

名言@・・・「未熟者の自由は大変な危険が伴う」:正しさの・・・良永(書)

 自由の尊厳とか言って幼児にナイフを持たせたらどのような結果になるだろうか。想像するまでもないが、恐らく本人はもとより一緒に遊んでいた他の子供も大怪我をして大変なことになるだろう。この意味は道具や機器でもその使い方の正しい知識と実際に使っての訓練をよき指導者の下で体験していない者への自由は大変な危険が伴うということである。
 組織に於ける権限委譲も同じことが言える。よき指導者の下でマネジメントの基本を学び実践で鍛えられた者が新しい部門の責任者となり部下を指導するのは正道である。しかし仕事の正しい進め方の教育もその実践も学習もしていない者が人の上に立てばどうなるか。これほど部下(個人)を不幸にし組織の成果を著しく低下させる愚かな運営はない。だから組織の活力やその成果を最大に上げようと思うなら「組織の人事は指導者にとって一番大事なことだ」とドラッカーは訴える。

名言A・・・「正しい判断力があることを前提に自由が認められる」: 正しさの・・・良永(書)

 会社に於ける予算会議の一幕。技術一課の改善に関する予算は500万円、課員は10人だから一人平均では50万の予算が認められた。これに比べ課員は同じく10人の技術二課の予算は半分の250万円しか認められなかった。この結果に対して二課の課長は「みんなに予算を平等に分け真面目に仕事をしているのに、いつも私の課は少ない予算しか認められませんがその理由は何ですか」と不満を言った。そうすると予算権を持っている部長が「費用は正しい判断で優先順位をつけ、より効果的な費用の使い方ができる者により多くの予算を配分するのは当たり前ではないか」といったのだった。この実話は優先順位すなわちテーマや課題の評価を合理的につけられない者は指導者として劣るということだ。

名言B・・・「自由とは自ら決断し自ら責任を負うことのできる人間である」:天野文相

 女性研究員が多い「生活文化研究所の所長」をつとめる女性のエリートであるM女史と対談した時のことである。会話が研究課題から人材に関する内容に移ったとき私はMさんに質問した。
 「一つ教えて下さい、貴方が高い評価をする社員はどのような人ですか」と。
  「特に意識していません。会社の決められた人事評価の基準で行っていますが・・・」
 「そうではありません私が聞きたいのは、正直な人、頭の回転が早い人、といった性格や能力の話です」
  「解りました。その点で言えば一つ意識していることがあります。それは『自己決断できる人』ですね」
 「なぜ、それを重視されるのですか」
  「自己決断には責任が伴います。強い責任感と熱意がよい仕事を生む基本と私は考えているのです」
この答えにリーダーとしてのM女史の才覚を感じ納得したのだった

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2012年04月25日

名言シリーズ:「自分を知る(自知)」−2

◆先ず体験・自分の師と友・五官をつかう実践

名言@・・・「困難を避けるといつまでも自分の力量が解らない」:宮城谷昌光

 まるで自分が40歳になるのを待っていたかのようにとんでもない仕事が待っていた。この出来事はそれ以降、私の運命を左右した内容だった。それは今まで未体験の「異業種」事業の生産性向上という仕事であった。入社以来のこれまでの仕事はプラスチック系新建材事業に関する生産技術一筋であった。もちろんそれなりに努力したのでこの分野の生産技術や生産性向上では自信があった。また上司や先輩の人から見ても私の態度はかなり生意気だったと思う。
 それがある日、突然「異業種工場の赤字を減らせ」という命が下りたのだ。この命にはかなり悩んだ「自分の生産技術というスキルはプラスチック系工場では実績も自信もあるが、窯業というセメント系の巨大な工場でもこのスキルが通用するのであろうか・・・」と。しかし実践してみて直ぐ判った。自分が培った生産技術のスキルとマネジメントは見事に適応できたのだ。わずか1年で凡そ30%の生産性向上が10名強の信頼する部下と関係者の努力で達成できたのである。これ以降の人生はもう異業種への転勤や職種変更を伴う移動や転籍さえほとんど心配することなく定年を迎えられた。

名言A・・・「自分の人間関係は自分の人格に合ったもの」:自己を築く(書)

 私には60歳になった時点で社内外に12名の恩師と呼べる人がいた。現在では既に4名の方がなくなられている。その人たちは現役のころ困難な仕事を引受けた際、仕事の完遂に必要な能力であるが私が弱いスキルを補い支援して下さった専門分野の第一人者であった。今回はそのような恩師をどうして選び交際できたかを少し語る。
私の恩師になる人の選び方の第一条件はなんと言っても「人柄」である。この人柄の条件は主に3つある「先ず善人であること」これは利害より正しいさを重視すると思われる人。二つ目は「聞き上手」、話をキッチリと聞き否定的な話をしない。三つ目は「目線をあわせてくれる人」難しい話を易しく教えてくれること。
 人柄の次に来るのが専門スキルである。私が恩師から学んだ専門スキルには「人材開発」「窯業系技術」「コンピューターシステム」「マーケティング」「商品開発」「事業運営」「経営経理」「風土改革」と言ったことがある。

名言B・・・「知ることは行うことである人生の力強さはただ実行する事」:小林秀雄

マレーシアにある400人ほどの現地工場の管理職と役員の指導を10日間ほど行なったことがある。その時の逸話である。現地の管理職の一人が「従業員食堂の味付け」に関して私に次のような質問をした。「自分は日本人の口にも合うように「甘辛さの味」を出すように何回も指導をしているが上手に伝わらない、何かよい方法はないか」と。私は「指導とはどのような方法ですか」かと尋ねたら「口とメモで・・・」という答えであった。私はその管理職に尋ねた「ところで貴方は砂糖と塩を目で見ただけで間違わずに判断できますか」と。答えは当然「NO」であった。「砂糖と塩を間違わないためには『なめて見る」しか方法がないのです。言葉や文章では甘辛さの加減は伝わりません」と言った。即ち実践で知ることができるという訳だ。味を覚えさせるには希望する味の店に連れて行き食べさせることではないかと諭した。

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2012年04月23日

名言シリーズ:「仕事の成果」−4

◆バラツキ削減・整理整頓・簡素化

名言@・・・「バラツキが減れば平均値を減らすことができ生産性は向上する」:近藤教授(元京大)

 2003年3月に米軍が主体ではじまったイラク戦争。この戦争は短期間で終ったがこの戦闘に使用された米軍の戦車についてとても面白い実話を聞いた。それは戦車に使われた主要部の鋼板はそのほとんどが日本製(新日鉄)であったという。理由は米国製にすると同じ強さを保つには厚みを日本製より厚くしなければ強さ(この場合は砲弾の耐貫通性能)維持できないということだった。この耐貫通性能は米国と日本の同じ厚みの鋼板を並べて砲弾襲撃をするというテストで行われた。その結果、日本製は厚みを変えると全ての砲弾が貫通するか全ての砲弾を跳ね返すという結果だった。これに比べて米国製は同じテスで一枚の同じ鋼板でも場所によって貫通したり貫通しなかったりというバラツキがでた。そして全ての砲弾を撥ね返すには日本製より厚みワンランクを増やさなければならないという結果だったという。使用する鋼板の厚みを増やせば速度は落ち燃料は増えるしかも積載量は減る。経済的な損失ばかりではない戦車の基本性能すら低下する。この話は材料や部品や受注量といった物に関するバラツキを少なくすることは生産性向上と効率化の要であるという話。

名言A・・・「愉快な気持で仕事をするには目先のことを直ぐに片づけること」:小林一三

 どのようなことでも「成果を出すには特定のモノゴト集中し真剣かつ継続」してやらねばならない。これは真理である。一言で集中するといっても具体的にはどうすればいいのだろうかか。それには単純なことだ「自分の気が散るようなことを先に片付ける」ということを習慣にすること。簡単に言えば気になっている事を先に片付けること。今日の予定が買い物や掃除や選択をしなければならないと思っていれば、直ぐに手のつけられることから片付けてしまう。そして気がかりなことを頭の中から無くし空っぽにする。それから集中すべきモノゴトに取り掛かるのだ。
 しかし目先の事を片付けてもやりたい事が多くあればここでも整理は必要だ。何に絞るかという優先順位をつけなければ集中力は弱まる。だからここで大事なことは優先順位をどのように絞るか、何によって絞るかということがとても大事な作業となる。できればその日の気分や好き嫌いでなく自分が生涯大事にしたいと思っている価値観にそってテーマを絞ることができると必ず継続性につながると思うが・・・。それにしても、あれもこれもと思う欲張り性は人間の一つの本性であるが、何かを選ぶときには何かを犠牲にしなければならないという覚悟は育みたい。

名言B・・・「一利を興すは一害を除くにしかず」: 十八史略

「一減一増」と言う私がとても大事にした言葉がある。この意味は「これから何か新しく一つの物事を実行しようとする場合、まず既存のモノゴトを一つ整理してから後に行う」という効率化や複雑化の防止の原則。例えばスーツを1着買いたいと思えば既に持っているブレザーかスーツを最低1着廃棄処分を行った後に購入するということを習慣化する。
 会社であれば年度の初めなどに新組織や新製品を増やすということがよくある。しかしこれを実行する前に既存組織の一つと一つの製品廃止を決断すること。これがいわゆる「スクラップ&ビルド」である。スクラップが先でビルドが後に注目すべきだ。これを物事の管理や統制で徹底して行えば物も仕事のしくみも複雑化しない。
 複雑化しないと言う事は、道路で言えば目的地まで一直線で結ぶ高速道路と同じ。街中の道路と比べ信号も歩道もなく自転車も歩道をはみ出す人もいない。また低速の速度制限や徐行区間や一旦停止などの制限もほとんどない。当然目的地には早く安全に着く。だから高い高速料金を払ってでも人々は大いに利用する。仕事でも同じこと、複雑化した組織は道路で言えば信号機と同じである。一つの決済や許可を得るのに7つ以上の印鑑がいるしくみもある。これは大渋滞と同じではないかと思う。特に信号機の役目を担っている人の「赤信号」を灯す時間の長い事。これでは生産性の向上など絶対の不可能だと思うが・・・。

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2012年04月18日

名言シリーズ:「仕事の成果」−4

◆事業目的・正確さと速さ・主体性

名言@・・・「事業目的は公明正大でしかも大義名分のたつもの」:西掘栄三郎

 松下幸之助氏の事業の原点は「水道哲学」でとても有名である。この水道哲学を実現するために松下で働く全社員が心得るべき基本的精神がある。それは「遵奉すべき7精神」と呼ばれ箇条書きにされた7つの行動規範のようなものだ。組織の末端に至るまで、それぞれの事務所のよく見える壁に掲げられている。またこの7精神は少なくとも週一回は朝礼で唱和する習慣になっている。その7項目は「産業報国の精神」「公明正大の精神」「和親一致の精神」「力闘向上の精神」「礼節謙譲の精神」「順応同化の精神」「感謝報恩の精神」である。まず最初に大義名分として「産業で国に報いる」とあり、最後には個人や社会から受けた恩に必ず報いること、とあるのは今では健全な生き方へのとても大事な示唆であったと思っている。

名言A・・・「正確さ、迅速さは人間が修養や訓練をどの程度積んできたかの判断基準」:スマイルズ

 仕事力を数式で表すと[仕事力]=[正確さ]×[速さ]という式になると私は確信している。足し算でなく掛け算にしたのは訳がある。「正確さ」または「速さ」のどちらかがいかに優れていても片方が1以下で、限りなくゼロに近く劣っていればトータルはゼロに近くなるのがビジネスの世界であると確信するからである。
 いかによいものを作っても期限に間に合わなければ信用を失う。納期や時間厳守はビジネスの基本であることを忘れてはいけない。ではもしいろんな理由で納期が間に合わないような時はどうすべきか。それは簡単である。たとえ無能呼ばわりされても事前にそれを正直に報告することだ。それも直前はダメ、理由は遅れに対して相手が代替案を考え段取りするのにある程度の時間が必要であるからだ。仕事に遅れはつきものである、遅れても信用を失いたくなければタイムリーな報告と連絡と相談を習慣にすることだ。これを習慣にすれば必ず評価も成果も上がる。

名言B・・・「仕事は全て自分が支配者である限りは面白い」:アラン幸福論

次の文も同じアランの図書の記述ではなかったかと記憶している。「路線を走るバスの運転手は電車の運転手よりも生甲斐やりがいを感じて仕事をしている」という記事。理由は自由度が違うというのだ。バスの運転手は電車の運転手に比べ自分の判断で速度や停止と言った運転操作の自由度をより広く持っているというのだ。仕事ではこの自由度の広さを権限と言うのだらう。
 いかに多くの人やお金を自分の意志で使えるか。また自分の判断や行動は誰かの許可または指示をうける程度はどれほどか、と言ったようなことが権限だ。しかしこの自由度や権限には責任という義務が比例してついてまわることを自覚しておかねば愚者になる。カエサルは言っている「上に行くほど自由度は狭まるものだと」。これは厳しい自律心や自制心がなければ自由は使いこなせないという意味なのだ。さすがにすごい人物だ。

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2012年04月15日

名言シリーズ:「仕事の成果」−3

◆因果関係・失敗はプロセス・計画に沿って

名言@・・・「原因をつかめば結果をコントロールすることができる」: デミング

『この世のあらゆるできごとは相対比較と因果関係の法則で成立っている』と断言しているのは確かダライラマ14だ。この「相対比較の法則」はとりあえず横におき、今回は「因果関係の法則」について補足してみよう。仏教ではこの因果の法則を「因果応報」や「善因善果」「悪因悪果」と言って仏法の一つの哲学にまでなっている。意味は『過去に於ける善悪の業(行い)に応じて現在の幸不幸の結果を生じる(果報)」。また「現在の行い(業)に応じて未来の幸不幸の結果を生じる』とある(広辞苑)。この法則は見方を変えれば、とても勇気や元気がでる法則だ。なぜなら過去はともかく、今からでも遅くは無い自分の行いや結果を省みて、今からでも善行を積重ね真面目な努力を続ければ必ず幸せを手にすることができるというのだ。とてもありがたい話である。

名言A・・・「応急処置とは結果を対象とするからプロセスや原因が判らなくてもよい」:近藤教授(元京大

 誰でも知っているが問題の対策を大別すると「応急処置」と「恒久処置」がある。この二種の対策で根本的な違いは「問題発生原因のどの段階にまでさかのぼり手を打つか」という違いにある。極端に言えば応急処置はとりあえず結果さえよくなればいいのであってその手段やプロセスを重視することはなくとても簡単な処置だ。これに比べ恒久対策は「問題発生の根本原因を究明し可能ならばその根本原因に改善のメスを入れる」ので知恵も時間もお金もかかる。
 例えば業績が低迷して赤字続きこのまま放置すれば倒産が必至という会社があったとする。ここでのトップの応急処置とはとりあえず赤字を止めるという結果をだすことである。具体的には経費の削減、人を減らす、工場を閉める、土地を売る、給料や諸手当を減らす・・・と言ったこと。難しいことではないが少し決断の勇気がいる。これに比べ恒久対策は大変だ、もし赤字の原因が商品魅力や技術力、あるいは営業力にあるとすれば商品の魅力を高めるためには商品戦略と技術力の見直しが必要である技術提携も必要かも知れない。営業マンが弱いという場合も同じだ。コミュニケーションやマナーと言った対人能力や多面的な商品知識等の基礎能力を高めなければならない。これには「管理者の資質、教育重視の方針、勤務評価、教育体系・・・」といった一連のしくみ改革と膨大な時間投資が必要である。

名言B・・・「秩序立てた仕事をしないと人生の75%は浪費することになる」:スマイルズ

 「秩序立てた仕事」とはどのような仕事の進め方をいうのだろうか。私が閃いたのは「計画に沿って行動する」ということではないかということ。しかし「計画に沿って」と言うからにはまず計画がなければ話にならない。ところで計画を立てる時その順序は、まず「なぜ」「何のためにそれをするか」という仕事の意義や目的や狙い」といった動機を明確にしなければならない。動機で大事なことは社会性や正義といった「大義」があることだ。これが自分や組織の人を動かす行動のエネルギー源になる。そして次は「どのようにすればこの目的が達成できるか」という「目標達成の方法を具体的」にしなければならない。それには「何を」「いつまでに」「誰が」「どこで」「どのように」するかといった行動の細目を明らかにしなければならない。これが「5W1H」という計画を具体化するための大事な手法である。簡単な問いかけ法であるがとても重要な手法でいろんな計画を成就させる鍵である。

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2012年04月11日

名言シリーズ:「事業と運営」−2

◆人材開発投資・最大多数の幸福追求

名言@・・・「事業の基礎になるものは設備投資ではなく教育と能力である」:ドラッカー

赤字子会社の再建業務を担っていた時の話。子会社の社長(再建の最高責任者)は親会社の元専務であった。その社長が役員会で次のような意志を明らかにした。「このような結果(赤字)が長く続いたのは解任した役員の責任であるが管理職もその責任の一端を担っている。今回、成果を早く出すために現在の管理職では能力不足であり、親会社の有能な管理職と総入れ替え実施したい」と。この意見に対して真っ向から反対の意見が役員の一人からでた。「社長お言葉を反すようですが我社は松下創業者の『事業の前に人を育てる』という創業者の事業の哲学があります。私達は今プロパーの管理職教育を必死でやっていますからしばらく時間を頂きたいのです」と。この意見に対し社長は「君に言われなくても『事業の前に人を育てる』と言うことは充分に理解している」といって「ではしばらく様子を見よう」ということになった。今思い出すとこれは役員会に出ている役員に対して「もっと人材育成に力を入れろ」というメッセージだったのだとわかった。

名言A・・・「事業の真の目的は人類を幸福ならしめる結果をもたらすこと」:フーバー

フーバーは第31代米国の大統領。そのフーバーの組織運営や機構や合理化の基本的な考え方は手本にすべき素晴らしいものがある。特に「標準化」という概念で多品種を数種に統合し徹底的にムダを省き生産性を飛躍的に高めたという。この考え方を日本でも自分の経営理念や方針に取り入れた偉大な事業家がいる。それは阪急グループの創始者小林一三である。その図書の中にフーバーの事業の運営理念の一行として『事業の真の目的は人類を幸福にならしめる・・・』という言葉があった。ベンサムの言う幸福論『最大多数の最大幸福の実現』や、松下幸之助氏の『水道哲学』もその根本は全く同じではないかと気づかされた。

名言B・・・「社員なくしてビジネスは不可能、従って人間の問題を最も重視 すること」:マズロ−

「仕事(成果)への関心度」と「人間への関心度」という二つの因子をタテ軸とヨコ軸におき9つのマス目をつくり管理職の仕事力を現わしたマトリックスがある。これを専門的には「マネジアルグリッド」と呼ぶ。組織に於ける指導者やマネージャーとして一番相応しいのは「仕事(成果)」と「人間」の両方の項目に強い関心を示し、この両面に日々啓発している人である。この二つの能力因子を仕事で充分発揮すれば組織の活力も成果もシッカリ出せる。統計ではこの枠に入る人材は7%であるという。逆にほとんど成果を出さず組織にぶら下がっている者も7%であるという。そして最も多いのがどちらもほどほどという中間型が全体の66%を占める。もし部下として上位7%の上司に恵まれたら最高の幸せだ。なにしろ7%は1/14の確率なのだから決して離れてはならない。再びよい上司に恵まれる確立は極めて少ないのだ。

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2012年04月09日

名言シリーズ:「生き方の心得」−2

◆一日が一生の縮図・今を真剣かつ集中・目標をもつ

名言@・・・「一日が一生の縮図である」:森 信三

凡人の私達は過去に捕われ未来に不安を感じながら毎日の生活を送っている。しかし過去は変えることはできず、また未来は「一寸先は闇」という言葉のごとく何が起るのか誰も予測はできない。これが生きていく現実である。しかし自分の未来を希望に満ちた明るい明日にする可能性は大いにあるという釈迦の教えがある。それは過去を悔いず、明日を煩うことなく「今というこの一瞬の時」「今日という1日」を真剣かつ集中して生きよという「モノゴトに取組む際の原則的な態度」について貴重な教えがある。そしてこのような真剣さの延長線上に明るい未来があると。これが釈迦の「一夜賢者経」の教えであると受止めている

名言@・・・「よりよき明日のためには今日と言う日を役立てよ」:釈迦

この名言は上記名言@でのべた釈迦の「一夜賢者経」の一行である。この教えの全文は通り。
 『過去を追うな。未来を願うな。過去はすでに捨てられたり。未来はまだやって来ない。だから現在のことがらを現在においてよく観察し揺ぐことなく動ずることなくよく見きわめて実践すべし。ただ今日なすべきことを熱心になせ。誰か明日の死のあることを知らん』

名言B・・・「老年が青年を演じようとするときのみ卑しい」:ヘルマンヘッセ

60歳を越えた人の生き方にはとてもよい忠告の言葉である。もし「青年を演じることが卑しい態度」で有るとすればどのような生き方を手本にすべきか。手探りでは方向が定まらず自分を律することすらできない。幸いにして壮年や老年の人たちに素晴らしい生き方の手本がある。それは私の好きな「サミュエル・ウルマンの青春の詩」の一行である。
 「青春とは人生の一時期のことではなく心のあり方のことだ。若くあるためには、創造力・強い意志・情熱・勇気が必要であり、安易(やすき)に就こうとする心を叱咤する冒険への希求がなければならない。人間は年齢(とし)を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである・・・」


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2012年04月04日

名言シリーズ:「上司と部下」−2

◆早成せず・背中の指導・心技体

名言@・・・「早成を求めるな早成は志を失う」:リーダーの易経(書)

 「この世のできごとはすべてが相対比較である」と断言しているのはダライラマ14世。そう言えば日常のニュースは例外なく相対比較した内容ばかりだ。日本と違って中国では、平年に比べ今年の花粉は、受験生の数は昨年に比べ、野菜は月初に比べ、、昨年の漁獲の2倍・・・といった表現。ところでこの『物事はすべて相対比較である』ということが判断や評価に於ける大いなる真理であるとすれば、生き方や考え方で幸福になるための素晴らしい原則が潜んでいることに気がつく。それは「快」や「楽」という欲望が満たされた「心地よさを先に体験してはならない」ということ。快楽の反対は「苦労」や「貧乏」といった人生の逆境体験である。この「逆境を先に体験する道」を選ぶこと。「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」と言う言葉があるが、上昇の人生を望むなら青少年の時こそ「苦あれば楽あり」の道を選ぶことが後に人生の幸せ感を得る秘訣なのだ。

名言A・・・「自分を改善しないで人を改善する事はできない」:宮城谷昌光

 指導の方法には「言葉の指導」と「背中の指導」がある。言葉の指導には「本人が言った事と行いが一致する人」と「言うことは立派だが行いが伴っていない人」に分けることができる。古人はこれを「言行の一致」として人物の信用を観る尺度とした。特に武士の時代は「武士に二言は無し」と言って、自分が一度言ったことを実行しないことは恥と考えたほどだ。
 ところで上記の「背中の指導」とは言葉で物事を教えるのではなく、「教える本人が手本となり導いていく方法」である。これは大変難しい。理由は「手本と言うことになれば正しいこと」を教えねばならないからだ。教える者が正しい考え方や技能を身につけていなければ間違ったことを教えることになる。例えば幼児の躾では母親の行儀作法や言葉使いや整理や清掃や挨拶をそのまま子供が真似る。社会人になっても整理整頓、清潔清掃や笑顔や挨拶といったマナーなどは上司自らが率先してやらねばならない。部下の育成を真剣に考えるととても威張っておれない。

名言B・・・ミスを起した社員の指導は「心」「スキル」「体調」に真の問題がある:窪山哲雄

 安全管理の用語に「安全4つのこま」や「1:29:300」というハインリッヒの法則がある。これらは事故が発生する原因やプロセスを解明し、その根本に手を打つことで事故の発生や再発を防止しようとする大事な手法である。この説明は今回はしないが事故の原因の究明に、「それは心の問題か」「それとも技能の程度か」「それとも体調が原因か」と言う、この三つの事故原因への問いかけ方法を知った時、実に驚いた。この言葉は窪山氏で(ザ・ウインザーホテルの支配人)という人であったが、この問いかけほど安全管理と事故原因の究明と対策についてその要点を簡潔にのべている言葉は他にない。あとで気がついたが武道の心得に「心・技・体」と言う精神統一の要点があったがこれが本にあるのだろうかと思った。

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2012年04月02日

名言シリーズ:「自主性を導く」−1

◆答より質問・選択させる・計画との対比

名言@・・・「部下の自主性を導くには『君どう思う』と尋ねることだ」:松下幸之助

「君はどう考える」「その理由はなぜ?」「解ったやって見たまえ責任は僕がとる」この三段論法はすごい。1977年2月、この論法を部下や仕事の関係者で実践し松下電器の平取締役から社長に抜擢された人が山下俊彦という人。今から30年程前の話であるが私は松下幸之助氏が大抜擢するほどの人物はいったいどのような能力の持ち主だろうと随分興味をもった。ある時、滋賀県草津市で中小企業の経営者向けに市の商工会議所が主催で山下氏の講演会を開くことになった。私はこの講演にまぎれ込み話を聞いた。内容は素晴らしくとても感動した。けっして話し上手ではなかったが真心と自分なりの人生哲学を肉声で聞くことができた。今でもその時の講演レポートは読み返し次世代の人々に語ることがある。

名言A・・・「自律性は自己選択によって育まれそれは自分が主人公という目覚め」:無気力の心理学(書)

 幸いにして私には「自己選択、自己判断、自己責任」という仕事のスタイルが若い時からあった。「人から言われた通りに実行するならロボットにさせればよい」。「実力を養うには自分で仕事のテーマを選び、その実行計画を練り、実践し結果をだし反省することだ」。これが基礎的な仕事のやり方を学び終えた20代後半での強い気持であった。「人の命令で動きたくない」と言う主体的であろうとする気持はすでに40年近くも抱いている。
 しかしこれを実現するにはどうすればよいか。幾多の仕事を体験し40代にして漸く判ったことがいくつかある。その一つは「仕事の専門スキルを実践で先ず高めること」。例えばテーマを自分で設定するのは企画力が必要である。上司を説得できる高いレベルの企画書や計画書を作成しOKと言わせる能力がまず必要。二つ目は仕事を任しても大丈夫と信用されること。これは都度結果を出すということ以外に方法がない。三つ目は対人能力・・・。これは生涯勉強しなければならない。

名言B・・・「何々については譲らない」というのが自信です:司馬遼太郎

自信とは『自分の能力や価値を確信すること。自分の正しさを信じて疑わない心』と広辞苑にある。ところで「自分の能力を確信する」にはどうすればよいか。その方法は比較的簡単だ、これからやろうとする「仕事のテーマ目標を数字で最初に設定する」だけでよい。例えば「3ヶ月以内にこのテーマを完成させ、毎月100万円の合理化をする。このために1000万円の改善投資をする・・・」と言った目標値。そして実践し結果と比べる。「5ヶ月と1200万円の投資で50万円の合理化が達成できた」。この結果が自分の実力(能力)である。この結果から「自分が最初に考えたほど自分の能力はない」という確信ができた訳だ。では次から成果の達成率を高めるためにどうするべきか。「目標を下げる」か「スキルを高める」しか方法がない。目標を下げることは誰でもですぐきるがこの方法では能力が向上しない。従って他人の評価はともかくこと自信に関してはそれを無くす力として働くことになる。

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2012年03月28日

名言シリーズ:「自信を育む」−1

◆正直さ・自分を信頼・現場現物主義

名言@・・・「自分に自信があればものごとに正直、真実で立ち向かえる」:ダライラマ14世
友人を選ぶときの基準として孔子の教えに「益者三友」「損者三友」という言葉がある。「益者三友」とは友の条件として@「直」を友とし A「諒(まこと)」を友とし B「多聞」を友とすることが自分の成長という益につながる・・・、という教え。@の「直」とは正直で素直な者。Aの「諒」は「まこと」や「真実」を大事にする。Bの多聞は「広い知識をもつ賢い者、広く名の聞こえた者」ということである。この条件で思うことは「正直は大いなる徳の一つであるがバカ正直では仕事もできず世間も上手く渡れないいうこと。正直差と言っても「モノゴトの善悪や是非の判断ができ、嘘を見破るくらいの知識が無くて手はならない」と言ったのは阪急グループ創始者小林一三である。これは正直がいかに大変な条件であるかということがわかる。友に選んではならない「損者三友」の三条件についてはまた別の機会に話そうと思う。

名言A・・・「自分を信頼できる人間は自分の欠陥さえも楽しむことができる」:マズロ−

私が尊敬している社長からある時「君ほど厚かましい人間は今までであったことがない」という言葉を投げかけられた。嫌味か誉め言葉であったのか、その場では判断できなかったが私は次のような言葉で言葉をかえした。「貴方は私の『あつかましさ』、そのお陰でどれほど多くの貴重な情報を得られたことでしょうか。私は貴方のブレーンとして、少しでも役に立つような情報を届けることが大事な仕事の一つと思っています。この一貫として私が択んだ社外の有能な先生や指導者に出合って、例えあつかましいと思われ恥を欠いても、組織のトップに必要な知識や判断の基準に関して事前に質問事項を整理し教えてもらいます。その対談結果を一枚のレポートにして毎週一回は報告しているのです。これができるのは貴方を敬う気持と私の「あつかましいという性格」がプラスに働いているにほかならないのです」と。社長からは「わかっている。感謝している」の一言がかえってきた。

名言B・・・「実行にはいつも理論より豊な何かが含まれている」:小林秀雄

モノゴトの判断基準の大いなる原則に「三現主義」という論理がある。「三現主義」はの三現とは「現場」「現物」「現実」と言う言葉の頭文字を表す。現役の頃トヨタやホンダでは大事なことの判断や決断にはこれが基本ルールになっていると聞いていた。なぜ人からの報告や関連資料やネット情報のみで判断してはいけないのか。そのエピソードの一つに倉庫の在庫についての実話がある。S社長は自社の工場や代理店を訪問した際必ず在庫状況を聞く。そして白い手袋を持ちすぐに倉庫を実際に見にいく。そして中に入れば在庫量はもとより整理整頓や掃除の程度、照明の明るさと言った事を目にする。そして決め手は「白い手袋で梱包された在庫品の上を撫でることだ」という。そうすれば「埃の程度」でどれくらいこの製品が動いていないか直ぐ判るという。パソコンや報告書と言った文字情報だけではとても判らないことがこの「三現主義」の実践で判るのだ、と・・・。


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2012年03月26日

名言シリーズ:「言葉の重み」−2

◆自己正当化・語尾が本音・言葉は心理

名言@・・・「人間しゃべれば必ず自己弁護するものだ」:広田弘毅

広田弘毅は東京裁判でA級戦犯として絞首刑になった。彼の人柄と政治活動の実績を知る者は皆無罪を固く信じていた。そして広田の弁護人は「尋問にはありのままを答えるように」と強く説得しのだった。しかし広田はそれを全くしようとしなかった。変わりに彼が答えたことばが『人間しゃべれば自己弁護するものだ』という一言。城山三郎の「落日燃ゆ」のテレビドラマ化の一場面で俳優の北小路欣也が広田の役を演じた。見事な男の生き様であると強く胸を打たれた記憶がある。そういえば「成長している人は愚痴や言い訳をしないものだ」という山本周五郎の言葉も思い出した。

名言A・・・「悪い知らせを先に言いそれをよい知らせに変える」:笑いの治癒力(書)

この「悪い情報を先に言う」というのはとても大事なコミュニケーション「特に叱り方と誉め方」の原則である。この原則を学ぶまで私は長い間「よい情報を先に言い相手の気分をよくしてから悪い情報を言った。このほうが効果的あると思い「この順序」で実践してきた。しかしそれは逆なのだ。人間は誰も自分は向上心があり成長したいと思っている。ところが「昔は真面目でよく努力していたが今は駄目」という注意の仕方をされると期待されなくなったと思い挫折感をもつ。しかし逆に「昔は努力もしなかったが最近はよく頑張っている」と評価されると成長している自分に自信がもてる。この違いは注意や評価された者が「未来に希望が持てるかどうか」という点にある。相手の未来に希望を持たせるには注意を先にし語尾で必ず誉めることを今練習している。

名言B・・・「ある人の心理とはその人の語る言葉そのものである」:小林秀雄

「語尾が本音である」。語尾とは「でも・・・」「しかし・・・」の次にくる言葉のこと。「貴方はとても頭がよい、でも実行に欠ける」と言われると「実行力に欠ける」が本音の部分である。ではその前部分「貴方は頭がよい」はお世辞やタテマエなのだろうか。小林秀雄のこの名言では「お世辞もタテマエも冗談も」その人の心理であるという。心理とは行動の基になるその人の「心の働き」であり「人柄や性格」大事な一面と捉えた方がよい。人間関係で本音を知ることはとても大事である。しかしその前に「人柄や性格」を知ることができればどんなに素晴らしいだろうか。もし正直な人、真面目な人、明るい人・・・と言った性格が解れば語尾などほとんど気にしなくてよいだろう。「能力より先ず性格や人柄を重視すること」これは古の賢人が教える人物評価の大原則である。

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2012年03月21日

名言シリーズ:「仕事の成果」−2

◆強みに沿って・積極的・制約条件

名言@・・・「競争で勝つためには自分の得意分野で勝負するしか方法がない」:盛田昭夫

ドラッカーも佐藤一斎も荻生徂徠も全く同じ事を言っている。
  「人はその長所のみをとらば可、短所を知るを要せず」
  「人は用いて初めてその長所を知る」
  「人材には必ず欠点あり欠点なきは人材となすに足らず」・・・。
上記の言葉はすべて荻生徂徠の人材開発に関する名言である。ちなみに荻生徂徠は江戸中期の儒学者で柳沢吉保にも仕えた。赤穂浪士の処置を決める際、法にのっとり厳罰に処すべきと献言したことは有名とある(百科事典)。

名言A・・・「武道をはじめあらゆる競技や戦いは迷った方が必ず負ける」:森信三

50代のはじめある大手企業の社長との懇親の場をもつ機会に恵まれた。その場の話題に私は安岡正篤氏の図書に関することを話した。聞き上手な社長は懇親の終わりに私に「貴方だったら中村天風の図書もよく読まれているでしょう」と言われた。私はその時「いいえまだ読んでいません」と答えた。話はそれだけの事であるが帰宅後に早速読んでみた。そして素晴らしいことを「判断基準」をそこから学んだ。それは「迷えば積極的に舵を取る」という人生の生き方の哲学だった。その効果はすごかった。それを意識し実践し始めてから「迷い」と「後悔」がほとんだ無くなり仕事にますます集中できるようになった。

名言B・・・「脳の仕事量を上げるには時間の制約が必要」:脳がさえる17の習慣(書)

「制約条件が無ければ人間の脳は真剣には働かない」これは大いなる心理である。私が親しくしている建築に関するプロの人達が5人ほどいる。平均年齢は61歳くらい。毎週木曜に集って論語やアランの幸福論などの人間学やドラッカーのマネジメントといった勉強を2時間ほどする。その後は軽く真面目な雑談の軽い飲み会で終る。
 その会で建築のプロの先生方に「建築場所、土地の広さ、建物の大きさ、建物の構造、間取り、使用する設備、もちろん期限も建築費も一切の条件をつけないから家を建ててほしいと頼まれたどのように対応しますか」と尋ねた。そうするとプロである誰もが「条件や仕様が定まらなくては迷ってばかりで自分の技術や力量を発揮することができず家を建てることは不可能」という話であった。この意味は「仕事とは課せられた条件や制限をいかに脳を働かせてクリヤするかということがプロの仕事である」とおもった。

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2012年03月19日

名言シリーズ:「合理的思考」−2

◆時間意識・見極め・体系的思考

名言@・・・「目が覚めているのに寝床にいたのでは何の利益にもならない」:二宮金次郎

「時をムダにするのも殺生なり」と説くのは薬師寺元館主の高田好胤。ところで江戸末期の二宮尊徳(金次郎)は「勤勉と合理的な思考」で破産した多くの村の再建を行い、戦前まで国民的モデルの人物だった。金次郎は少年時代から時間の使い方はすごい。例えば最も有名な薪を背負って歩きながら本を読むという姿。戦後のある時期までは私の通った小学校にもその像が立っていたことを思い出す。今では通勤電車の中で真剣に本を読んでいるサラリーマンの姿もこの部類に少し入るのかも知れない。また金次郎は「朝、目が覚めているのにまだ眠い寒い・・・、などといって自分の意志で起きようとしないのは怠惰で大きな時間のムダ」といって自分を戒めるほどの勤勉だった。(二宮金次郎の一生)

名言A・・・「肥料をやるときは朽木と若い木を見極めて」:二宮金次郎

論語の一説に「朽木を彫るべからず」という教えがある。「腐った木に彫りものをしようと思っても彫れない」という原則を言っている。木が腐っていますから直ぐボロボロとなり自分の思う形に木彫できない、例え名人であっても・・・」と言うこと。この場合腐った木とは人間で言えば「思考が固まり柔軟性を失い人から学ぶことをしなくなった人を指す。年齢で言えば50才以上であるという解説もある。このような人に思考や態度を変えるように説得を試みてもムダである、という教えと理解してから年長者との人間関係で悩むことは随分減った。いかに努力しても道理に沿っていない努力は絶対に実らないまた解った。

名言B・・・「合理的とは条件、人の行動、手続き、設備、材料等を単純化すること」:デミング

20世紀の末、日本の企業が世界に誇る生産性向上の手法がある。それは「改善」という言葉で代表される全員参加の生産性向上運動だ。その改善にも思いつきや手探りの改善から「体系的に行う改善」まで様々である。ここに一つの体系的な改善の仕方を紹介しよう。それは4Mという4つのMの頭文字を「改善の目のつけどころ」とするやり方である。その4Mとはマテリアル(材料)、メソッド(方法)、マシン(機器)、マン(人)の頭文字である。具体的には「材料の種類を変えるとどうなるかだろうか」「加工や作業の条件や順序といった方法を変えてみれば結果はどうなるか」「使用の設備や機器を変えると制度や速度が向上しないか・・・」「人を変えるとどう変るか・・・」と言ったような実験をくり返し生産性を高めていく。ここで気がつくことがある。これらの4つの組合せを考えると改善の要素は無限にあるということだ。これを継続的にやったところが勝ち残るのだろう。

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